総合政策学部2006年度合格解答例 環境情報学部2006年度合格解答例

慶応義塾大学総合政策学部小論文(2006)解答復元


解答例1 解答例2

問1
資料1より、世論とは人、時、場所などの条件によって異なり、個々の人間の意見の集 積こそが世論であると言える。ではなぜ世論は条件によって移り変わるものなのであろう か。

それには世論の形成過程が大きく関係している。例えばライブドアのホリエモンの問題 がある。前回の衆議院選挙でホリエモンが立候補した時、自民党はホリエモンをとても応 援した。しかし、ホリエモンの粉飾決算がマスコミによって報道された瞬間、自民党はホ リエモンに対する立場を逆転させた。資料1のように、政治家は単に世論を利用している だけなのである。

このように、世論形成にはマスコミが大きく関係していることが分かる。しかし、今日 のマスコミの情報は本当に正しい情報とは言えないのではないだろうか。なぜならマスコ ミと一般の人々との間には情報の非対称性が存在しているからである。例えばホリエモン が逮捕される前に「ホリエモン逮捕」と大々的にみだしに書かれ、横にちいさく「か!? 」と書かれた新聞の記事を見た。このような書き方をすれば皆が注目をし、中には誤解す る人も出てきてしまうだろう。今日のマスコミは、本来目的であったはずの信頼できる情 報を伝える事が消滅しつつあり、商品を売り、利益を得るという手段が目的となってしま っているのである。

これらのように考えると、資料2のように信頼性が薄いと言われているインターネット は新聞やテレビとあまり信頼性は変わらないのではないだろうか。むしろインターネット のほうが信頼性が高いのではないだろうか。例えばソーシャルネットワーキングサービス (SNS)がある。SNSを利用すれば友人や信頼できる人のみの集まりなので、信頼で きる情報に満ち溢れた交流をすることができる。つまり、このような新聞やテレビなどの 従来のマスコミからインターネットと言う新しいマスコミへの形成過程の変化こそが世論 の変化につながっているのである。私はこれからの世論とはインターネットを軸とした、 情報がスムーズで、スピーディーに流れたユビキタス社会における自立的な交流の場にお いて形成されると考える。

問2
私はブログが勝つと思う。なぜなら資料4のように、グーグルのページランクはリンク の数を比較し、その数の多いページから順に表示する仕組みになっているため、今回の勝 負においては、情報が正確であるかどうかは関係が無い事がわかる。つまり、検索で表示 させたい文字の大きさを大きくしたり、多用したりなどのSEO対策に勝利した方が勝つ ことになる。そのような観点で考えると、SEO対策のしやすいブログが勝ちやすいと私 は考える。

ブログには一般サイトと比べトラックバックと言う特長を持つため、リンク数を増やす 事が非常に楽な仕組みになっている。また、グーグルのヒットさせたいキーワードに関す る記事を1日100回更新させれば、そのキーワードにおいてグーグルページランクを1 位にさせることは簡単である。一方、ニューヨークタイムズは情報の正確さを売りにして いるため、むやみに記事を増やすことはできないであろう。今回の勝負はグーグルの検索 においてどちらが上位に表示されるかであるため情報の正確さは関係ない。そのため私は ウェブログが勝つと考える。



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